1月末からコロナウイルスのニュースが続いていますね。ベルギーやドイツ、フランスでも感染者が出たようで、こちらでも注意喚起のニュースは続いています。

ただベルギーではマスクをする文化はありません。ベルギー他ヨーロッパ圏でマスクをするとコロナウイルスよりももっと重篤になる致死的な病気に罹ったと思われ、道を歩いていても人が遠のいていきます。日本では花粉症持ちの私は冬から春にかけてマスクをするのが普通で、色々な種類のマスクを日本から持ってきましたが、あまりの拒絶ぶりに心が折れて最近マスクをすることはやめました。

学校や職場では手洗いやうがいを徹底しているので、そこだけ安心しましたが、子供が咳をしているとついマスクをさせたいなと思う私です。

先日、私の夫が明らかに40度の高熱と関節痛を伴い、インフルエンザを疑い病院に罹りました。

その時に初めて普通の街中にある開業医にかかりました。

ベルギーのクリニックには看板がありません。もしあったとしても目立たないようにドアや窓に書いてあるだけで、普通のマンションの1室にあります。そして完全に予約制です。日本では連絡なしで受診しても大丈夫ですが、こちらでは必ずインターネットか電話で受診してもいいか確認しなければいけません。緊急の場合は救急ネットに繋げ、救急対応の病院に受診するよう指示されます。

完全予約、完全個室制なので、他の具合の悪い患者さんと同じ席に座ることもなく、時間通りには必ず個室に案内されます。隣の患者の声が聞こえることはないし、プライバシーがかなり保たれている印象を受けました。病院というよりはオシャレなカフェに入ったような空間となっています。

そして基本的にそういったクリニックでは検査は何もしません。血圧や身長体重はその場で測ってもらえるのですが、インフルエンザの可能性が高くても検査はしません。症状でインフルエンザの可能性が高いから5日間は自宅待機にしましょうと。採血や検査はまた別の場所に行かないといけません。それはまたマンションの1室で検査技師さんが1人だけ待機しているようなのです。

日本ではなるべく確定診断を早めにして対処も早くと思っていたのですが、こちらの先生に言わせると、あなたは免疫不全ですか健常なら熱が出るけど家で休めば治りますと。タミフル等の抗インフルエンザ薬は使わない方が薬の副作用も心配だし必要ないですねと説明されました。

実はベルギーで秋頃にインフルエンザの予防接種をしようと思った時も、健常な子供ならば必要ないでしょうと。問題がある場合は大学病院に相談して欲しいと言われたのです。

感染者対策の基本は予防接種ではなく、手洗いうがい、そして十分な睡眠とがあれば問題ないという考えです。こういった積み重なった医療感覚の違いは医療費の違いにもなるのだろうなと感心しました。

集団で行動する方は予約接種はした方が良いとは思いますが、確かに基本大原則は手洗いうがい、基礎体力だと思います。産業医をやっているので、自分がそういった意味でのロールモデルになるべく、自分の体力を見極めコントロールすることを徹底しています。

私は家族で誰かがインフルエンザになっても自分が罹った事は1度もありません。その時はいつもより沢山食べて寝て、用心して過ごすと大丈夫なのです。もちろん子供たちはそこまで自己管理をするのが難しいので、夫から始まり、子供3人中2人がインフルエンザに罹って、自宅待機が長く辛い数週間でした。